三十三所観音奉祀由緒
安永5年(1776)、時の住職は境内に三十三所の観音様を奉祀されました。
それより約6年前の明和7年頃、当寺が開かれてから2度目の火災に遭い諸堂は全焼しております。
伽藍復興に向けての機運が熟し、再興の無事を願って観音様が祀られたと思われます。
棟札の記録によると、安永7年8月5日に開祖堂が上棟され、順次、本堂、庫裡が再建され、これらの建物が現在も威容を誇っております。
後に、三十三の観音様は当寺を囲む周辺の山と境内に遷され、巡拝道として信仰を深めていましたが、残念にも長い年月の間に心無い者に持ち去られ行方不明になったものが多く、境内に数尊を残すだけになりました。
開祖通幻寂霊禅師600回大遠忌に際し、再度三十三所観音様を境内に奉祀したいと発願し、檀信徒と共に西国霊場を巡拝し霊場より少量の砂を拝領し、それぞれの基壇に納め建立いたしました。
願わくは、参詣の各位に観音菩薩の功徳を賜らんことを。 |